外資系金融の終わり

いまさらですが、金融日記で有名な藤沢数希さんの「外資系金融の終わり」読了。全般的にSPAの記事みたいな下品な煽りが飛び交う文章ですが、赤裸々でとっても面白いです。

ただまぁ「外資系金融の終わり」というタイトルは一般人から見れば単なる自慢話で、自分のような技術者としては哀しい話なのですが、実装の仕事をするよりも、お金を回したり分配する仕事に従事する方は10倍以上、期待値的にも2倍ぐらい儲かるんだよねぇ、やっぱりそうだよねぇという読後感。

ただ、お金を回す世界に特化した人々はだいぶ心を壊すみたいで、この著者も本の各所に恨み節を詰め込んでおられます。だいぶ壊れている感じが、キャラづくりなのか本音なのか分からないけど面白い。

48ページに一行だけ、著者が自身のことを「純朴だった大学の研究者がこうして金の亡者へと変わっていった」とポロっと書いてるんですが、これってたぶん本音なんじゃないかなぁ。なんというか著者のブログもそうなんだけど、倉田真由美中村うさぎのような「生来はとても純朴な人だったのだろうなぁ」と感じさせる文章に、シンパシーを感じてつい見ちゃうのですよね。

まぁでも博士卒で競争激しい分野の研究職やベンチャーとかに勤務するよりは、金融勤務の方がトータルのリスクがいくぶん低いと思いますんで、私も来世で(著者のように肉食に)生まれ変わったら就職先は迷わず金融系にしたいもんです。