20時間持つBluetoothイヤホンATH-CKS50TWを買いました
はじめに
ATH-CKS50TW を買いました。
去年 Airpods を紛失して以降、Bluetoothイヤホンは Anker Soundcore Life P3 というのを使っていたのですが、
いくつか気になるポイントがありまして、
です。
1については、ほとんどの Bluetooth イヤホンがそうなのですが、接続先を切替えるためには、接続中のデバイスを一旦切断して、改めてPCやスマホで接続操作をする必要があります。 私は元々は Airpods を使っていたのですが、Airpods はMacやiPhoneの方から接続操作をするとそれだけで接続できるので、正直もうそういう仕様になっていないイヤホンでは、ストレスがたまる一方でした。
2については、バッテリーは新品で公称本体7時間で、こちらは Airpods よりも断然持ちが良いものの、やはり朝から仕事してると午後切れてしまうとか、うっかりケースに入れ忘れるとすぐバッテリーがなくなって、ミーティングの時に慌てるみたいなことがしばしばあります。あと私は音楽系のプログラムを作る趣味があるのですが、それだとぶっ通しで丸一日普通に作業したりするので、やっぱりバッテリー途中で切れちゃうんですよね。
3はまぁ深刻な問題ではなくて、できればゲームも快適に同じイヤホンで遊べたらなぁ...という程度ですが。
ということで、これらの気になるポイントを解決すべく、色々調べてみたところ、オーディオテクニカの ATH-CKS50TW がこれぞという感じだったので、買いました。
このイヤホンなんとバッテリーの持ち時間が公称20時間。他に20時間以上持つイヤホンというと、先月発売されたSONYのWI-C100がありますが、ケーブル部分にバッテリー収容で完全ワイヤレスではないというのと、マルチポイント接続やAptXに対応していないみたいだったので、今回は候補から外れました。
開梱
ということで届いた ATH-CKS50TW の箱がこちらです。シンプル。
内箱。
内容物一式。USBケーブルはType C。短いです。
説明書と保証書。
イヤーチップはXS,S,M,Lの4種類。デフォルトはMサイズが本体に付いています(この写真は本体のMサイズを外して一緒に並べました)。 私は他のイヤホンだと一度もデフォルトからサイズを変えたことがありませんでしたが、これはMサイズが小さい感じがしたので、Lサイズに変更しました。
イヤホン本体(画像左)。参考まで Anker Soundcore Life P3 (画像右)と並べてみました。
重量はバッテリーのサイズから ATH-CKS50TW が8g(片耳)で、 Anker Soundcore Life P3 の 5.2g と比べるとかなり重いのですが、形状のせいか意外と大きい印象がありません。
使ってみる
Windows / Mac / iPhone それぞれ特に問題なくすぐに接続して利用できました。 8gのイヤホンは相当重いのかなと身構えていたのですが、それほど違和感はありません。 長時間付けた感じも個人的には Life P3 と大差ないです。
音質は低音を強調しすぎていないフラットに近い感じ。音の解像度も良好です。非常に好みのセッティングです。 Soundcore Life P3がかなり低音強調タイプだったので、こちらのほうが安心できますね。 専用アプリからイコライジングもできますが、イコライジングなしで良さそうです。
あと地味なポイントですが、操作がタッチセンサーではなくて物理スイッチです。誤爆がなくてすばらしいです。 タッチセンサーだと寝転がったときに腕に耳を付けてしまって誤タップみたいなことがすぐ起きるのですが、この機種はそれがないです。 タッチ操作が流行りの昨今、あえて物理スイッチにしたメーカーさんは素晴らしい判断と思います。これだけでも★5あげたい。
専用アプリ
専用アプリはiPhone版をインストールしました。アプリは React Native で作られているようです。 昨今のデバイス制御アプリとしては及第点な印象ですが、Ankerと比べるともうちょっとモダンにして欲しい感はあります。
もちろん慣れれば大丈夫なのですが、若干画面の導線や説明が分かりにくく、UIもWEBサイトに強引にアプリのボトムシートをくっつけたような不思議な感じ。
気になる点としては、アプリの起動時にイヤホンと接続するまでわりと時間がかります。あと、時々アプリからイヤホンを認識できないことがあります。 特にiPhoneに Anker の Bluetooth イヤホンを同時に接続していると起きやすい気がしますが、それ以外の条件でも時々繋がらなくなります。 ただ、深刻な問題ではなくて、音楽は普通に聞こえますし、Bluetoothをオン/オフするか、アプリを再起動すれば直る感じです。
バッテリーの持ち具合
びっくりするほど持ちます。アプリの画面で容量を確認していても、一向にバッテリーが減らないので最初はバグなのではないかと思いました。 一度バッテリーの残量をゼロにしてみようと思って、夜中の3時ごろから利用を開始して、途中音楽を止めている時間もありつつバッテリーが切れるまで粘ったところ、普通に夜23時ごろまでかかりました。 バッテリー残量が5%とかになっていても平気で1時間以上持つのですごいですね。
ネットのレビューで、右耳と左耳でバッテリーの減り方が大きく違うような不具合を見かけましたが、手元の製品でも最初に届いた時その現象が起きました。 ただ、一度バッテリーを空にしてから満充電した後は起こっていません。届いてから数日使っていますがいまのところ安定しています。
複数デバイスとの接続
マルチペアリング(一度接続したBluetooth接続先を覚えておき、2回目移行の接続が自動になる機能)とは別に、マルチポイント接続機能に対応しています。これは最大2台までデバイスに同時に接続しておく機能です。同時に接続しておくといっても同時に複数の接続先の音が鳴る訳ではなく、排他です。一方の端末で音を止めて、他方の端末で音を流しだすとすぐ音がでるという感じです。
マルチポイントで接続する先はアプリから↑のスクショのように設定できます。 接続先のデバイスが2台までならもう実質Bluetooth接続を切替えるという操作はしなくて良くなる感じですね。
ちなみにスクショで表示されている CRY574Pro というのは私の端末ではなくて、出荷時の検査機器の名前だと思います。 これ、いいんですかね...笑
接続先の強制切り替えはできる?
多くの Bluetooth イヤホンは、イヤホンがPC1に接続した状態では、PC2からイヤホンに接続しようとしてもできません。 一度PC1でイヤホンの接続解除をしてから、改めてPC2からイヤホンに接続する必要があります。
Airpods などごく一部の製品では、この接続解除の操作を省くことができます。例えば、Airpods が iPhone に接続中の状態で、Mac から Airpods への接続操作を行うと、AipodsとiPhoneの接続は自動解除されて、Macとイヤホンが接続されます(ただし、独自の制御らしく Window から接続操作をしてもこの動作にはなりません)。この動作には一般的な呼び方がないので、ここでは「接続先の強制切り替え」と呼ぶことにします。
(余談:実に直感的で便利な機能なのですが、一般的な呼び方がないのは、おそらく体感したユーザーに取っては「あたりまえ」すぎて言語化されないからではないでしょうか。こちらの記事では「接続上書き方式」と呼んでいますが、それも記者さんの苦肉の策であり、他に同じ呼び方を使っている記事はなさそうです。英語では take over とか言わないかな〜?と思って調べてみたのですが、分かりませんでした)。
一般的な呼び方がないので、検索することもなかなか困難なのですが、改めて入念に調べてみたところ、価格.comに調査した方のレビューがあり、そちらによると、SONYの WF-H800, WF-1000XM3 や WF-1000XM4 やパナソニックのeah-az60などで可能なようです。
さて、こちらのイヤホンで「接続先の強制切り替え」を試してみました。結論からいうと、出来ませんでした。
イヤホンに1台しか端末が接続されていない状態では、当然2台目の端末を接続できますが、イヤホンに2台端末が接続された状態になると、どちらかを接続解除しないと3台目の端末から接続要求しても、繋がりません。
ただ、これで困るかというと、私の場合、まったく困りませんでした。理由としては、2点あります。
1つめの理由は、私は普段 Mac - iPhone を主に切り替えて使っており、3台目の Windows に切り替える頻度が低かったことです。たまにWindowsに切り替える時に切断が必要、という程度なのであまり面倒に感じませんでした。
2つめの理由は、接続中のデバイス側で Bluetooth を切断しなくても、iPhoneのアプリ側から接続解除操作が出来ることです。これまで私が最も困っていたのは、Mac や PC のある机を離れてから iPhone にイヤホンを接続しようとすると、それまで接続していた Mac や PC との接続が残っていて、iPhone に接続できない、ということでした。強制的に切断しようとするとイヤホンをケースに入れてケース側の再接続ボタンを押すしかありませんでした。このため、うっかりケースを忘れて玄関を出てしまい、部屋にもどったことが度々あります。
今回のイヤホンは iPhone から Mac や PC の接続が切断できますので、このような困りごとはすっかりなくなってしまいました。
マイク使用中にステレオ音声再生はできる?
できませんでした。モノラルになります。HPF/HPS プロファイル的にできない感じがするんですが、ゲーミングイヤホンとかだとどうなってるんですかねこれ...?
ゲームでの利用
Windows 10のPCに接続したところ AptX で接続されました。ただそのままだとSBC接続と大差ない遅延があります。専用アプリから「低遅延モード」に設定すると遅延がほとんど感じられないレベルとなりました。ただ仕様に AptX Low Letency という記載はないので、どういう技術なのかは不明です。個人的にはFPSでは十分に感じましたが、音ゲーなどさらにシビアなゲームは試していないため分かりません。
なお、前述のとおりマイク使用中はBGMがモノラルになりますので、ボイチャしながらゲームする用途には使えません。
ノイズキャンセル機能
車の音とかエアコンの音がそれなりに弱まる感じです。かなり高域に絞ってキャンセルされているのか、あまり強くノイズキャンセルされている感じではありませんでした。 ただ、元々結構密閉感が高くて、ノイズキャンセルなしでも外音はかなり聞こえなくなりますので、これで十分かなという気がします。
他のメーカーの製品だとアプリにキャリブレーションがあるのですが、この機種にはないようです。
外音取り込み機能
外音取り込み機能には2種類のモードがあります。
- 右耳のスイッチを1秒長押しで起動するクイックヒヤスルーモード
- 左耳のスイッチを1秒長押しで切替えるヒヤスルーモード
どちらもかなり外音(人間の声あたりの周波数)を取り込んでくれますが、クイックヒヤスルーは、一緒に音楽のボリュームも下げてくれます。 レジ前などでとても使いやすいです。
細かい話
いくつか落ち穂拾い的に。
- 専用アプリでイヤホンを Mac へ「接続」すると、時々失敗します。「接続解除」は問題ありません。
- Mac と接続したときだけ、音が止まる時にL/Rのズレがあります。R側の方がわずかに早く止まります。
- 到着した製品のファームウェアバージョンは 1007 でした。到着後すぐにアプリ経由で 1010 にアップデートして使っています。
おわりに
バッテリーの持ち、音質、操作性、いずれも二重丸◎です。文句なくオススメできるイヤホンです。 重量はちょっと気になるポイントですが、個人的には特に重いとは感じませんでした。
Mac ユーザーなので、この手のデバイスはどうしても Airpods との比較になってしまうのですが、バッテリーの持ちについてはコンパクトさを犠牲にできない Airpods がしばらく改善できないポイントだと思われますし、WindowsやAndroidとの接続の切り替えやすさ、という点では Apple は今後も対応しないでしょう。というわけで イヤホンについては、Apple 製品以外とも接続する用途であれば、やはり Airpods ではなく、現状このイヤホンがベストだなと思います。
いい買い物が出来ました。